TPPがなくても日本の国民皆保険をダメにし始めた日本政府

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TPPの根本的な目的は、規制緩和だ。これは、日本人の人権、健康、安全を守る規則(規制)を緩くして(緩和)、駄目にすること。そして、規制緩和して、人権、健康が守られなくなった日本人に金を出させようとすることだ。多国籍企業が金儲けしやすくするために、規制緩和するのが、TPPの大きな目的である。

 だから、規制緩和してくれれば、TPPじゃくてもいい。FTAでも、国際戦略特区でも、政府の自主的な規制改革でもいいのだ。

 医療面の日本人の健康を守る最大の制度(規制)は、国民皆保険だ。これのために、日本人は、たいして高くない値段で医療が受けられる。
 例えば、それがないアメリカでは、盲腸手術は700万円だ。

 このテレビ映像を見てほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=cMsZAErCE9g&t=40s

 このバカ高い医療費のため、アメリカの製薬会社と民間生命保険会社は大儲けしている。医療の実態を握っている。

 だから多国籍企業は、日本の国民皆保険を壊したくてしかたがない。
 日本人に民間保険会社の保険を買わせたくてしかたがない。

 TPPにもそれが盛り込まれているが、日本政府は着々と国民皆保険を緩めようとしている。

 日本医師会がTPP反対の文書で、日本の国民皆保険制度を守るために三つの提案をしている。


「日本医師会「日本医師会2012年定例記者会見」
国民皆保険を守るために

①公的医療給付範囲の維持 
②混合診療の解禁をしない 
③営利企業を医療に参入させない。」

このうち②、③を政府は規制緩和して、ダメにしようとしている。②③が進めが必然的に①はダメになる。

今回は②について書く。

まず、混合診療とは何か?
混合診療とは、国民皆保険診療と全額自費の自由診療を同時に行っていいということだ。
一見、便利そうに見えるが、なぜ、これが国民皆保険制度を形骸化するのか?

それは、医師会によるとこうだ。
「混合診療が全面解禁されれば、新しい治療や医薬品を公的医療保険に組み入れるインセンティブが働かなくなるため、公的医療保険から給付される医療の範囲は、時間とともに縮小する。」(TPP交渉参加についての日本医師会の見解。2012年定例記者会見)

簡単に言うと、以下のことが原因で皆保険制度が形骸化する。
(堤未果、「沈みゆく大国アメリカ・逃げ切れ日本の医療」より)
「安全確認の申請など、余計な手間とお金のかかったあげく、価格の抑えられてしまう公的保険より、自由診療でそのまま売ったほうがはるかに儲かる」

つまり、さらに簡単に言うと、自由診療の方が儲かる。皆保険診療は手間がかかって、儲からない。だから、医療関係者は、治療方法を自由診療から、皆保険診療に入れなくなる。
すると、皆保険診療は治療方法が増えない。また、古い治療方法は捨てられるので、先細りになる。
すると、金持ちしか受けられない高い自由診療が増え、一般人の国民皆保険は先細りして、形骸化するというのだ。

そしてこの混合診療は、もう2016年4月にスタートしている。

『DIAMOND ONLINE 2015年9月 「混合診療を蒸し返す患者申出療養は誰のための制度か」
当初、政府の規制改革会議が提案した「選択療養制度」は、患者の自己責任のもとで、保険適用外の治療や医薬品をなんでも保険診療と併用させるというもので、実質的な混合診療の全面解禁を狙ったものだった。
 しかし、提案されるやいなや、すぐさま保険者3団体(健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、全国健康保険協会)が連名で反対を表明。また、制度創設の大義名分とした「困難な病気と闘う患者」の代表ともいえる日本難病・疾病団体協議会(JPA)が、「必要な医療は保険でとの原則を堅持した国民皆保険制度のさらなる充実を強く願う」という要望書を出したのだ。
 あまりの評判の悪さに、規制改革会議では、安全性や有効性を担保するために、「論文などによって合理的根拠の疑わしい医療を排除」「医師の診療計画を作る」「中立の専門家による評価を受ける」などを追加した修正案を提出。しかし、昨年4月23日の会議後の記者会見では、議長の岡素之氏(住友商事相談役)に、記者たちから厳しい質問が浴びせられ、選択療養制度の導入は風前の灯にも思われた。
 だが、安倍晋三首相の「保険外併用療養費制度のしくみを大きく変える制度改革を関係閣僚で話し合ってまとめてもらいたい」という指示により、昨年6月に「患者申出療養」と名称を変えて導入が決定。』


患者の代表である難病患者の会の責任者はこう言っている。

難病疾病団体協会 代表理事 伊藤たてお 患者申出療養についてインタビュー』
「患者の期待に応えるかのような打ち出しですが、患者のためになりません。混合診療により新たな治療が受けられるのは、利益を得るのは自費部分の高額な医療費を負担できる人だけです。」
「混合診療を安倍政権の成長戦略の目玉に掲げているのは医療をビジネスにしたい経済界の狙いがあるからでしょう。あたかも患者の期待に応えるように混合診療解禁を打ち出す政府のやりかたは、藁をもすがる思いで新たな治療法や薬を待ち望む患者を利用するように思えます。」
「患者のことを思うなら自費となる保険外治療を増やすのではなく、迅速な保険収載によって国民健康保険を豊かにしていくことこそが求められます。」』


アフラック提供のある投資家のブログは、金儲けの側から、そのことをこう説明する。

『*インターネットの投資家のブログより「THE GOAL」(スポンサー「アフラック」)2016年10月5日
 「ついに混合診療(患者申出療養)が解禁。医療保険の重要性が上昇。日本政府は医療分野で混合診療を大幅に拡大する『患者申出診療』を打ち出し2016年4月1日から実施が開始しました。名称は異なりますが、事実上の『混合診療』の解禁です。医療保険、医療共済の重要性が格段に上昇します。」
「混合診療のメリット・保険診療では治療の難しい厄介な病気の治療の選択肢が広がる」(お金がたくさんあればできる)
「混合診療のデメリット・製薬会社や医療メーカーの保険(国民皆保険)への意志が薄れ、新たな薬・医療機器が保険診療に移行されにくくなる可能性が出てくると言われています。」
結論
「2016年以降、「患者申し出療養」によって、患者が申し出れば、日本では未承認の薬・治療を日本の医療機関で受けられる方向です。
規制緩和は最初は小さな範囲で始めて、後に拡大していくことはよくあります。批判されている懸念の副作用がそれ程大きくなかった場合は、規制緩和が進むでしょう。保険外の治療は、内容によっては費用がかなり膨らむ可能性があります。保険診療では治療が難しい難病に罹患した場合、あらゆる可能性を試してみたくなるのが人情です。その時にお金がないからという理由で、治る可能性がある保険外の医療を断念せざるを得なくなるのは切ないです。そういう国民のニーズに対応して、混合診療解禁後は、混合診療を受けた場合に保険金が出る医療保険が必ず登場するはずです。例えば、1000万円・3000万円・5000万円・1億円までの混合診療費用が出る医療保険が登場すると思われます。混合診療解禁後は、可能性は低いけれども、多額の医療費が必要になる場合が出てきます。したがって、医療保険の重要性が上昇します。特約扱いになって中途付加できればいいですが、それができない場合は現在の混合診療未対応の医療保険は陳腐化します。」』


政府は国民皆保険の35%程度の金を税金から出している。
しかし実は出したくないのだ。政府は、そのためTPP推進の多国籍企業と意見が一致している。
「国民皆保険をダメにしよう」ということで意見が合うのだ。

国民の多くはこうしたことを知らないだろう。

知って国民皆保険を守ろうとしないと大変なことになる。
盲腸の手術で、700万円払うことになる。医療破産するかもしれない。
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by isehyakusyou | 2016-11-21 10:01 | Comments(0)
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