関東では桜の季節が終わったと思っているあなた、実は終わっていません。

 昔、小林秀雄の講演集を聞いていて、桜の名人の植木職人の話が出てきた。

 明治以降の桜は言うまでもなく、ソメイヨシノ。
 その桜の名人によれば、ソメイヨシノは屑みたいな桜で、やっぱり桜は山桜なのだそうだ。

 昔はそんなもんなのかと思っていた。山桜を見ても、ソメイヨシノを見てもあまり感動しなかった。

 私は桜より梅が好きだった。

 寒さに耐えて、少しずつ清楚に咲く感じがいいなと思っていた。
 桜は、ボリュームがあって、ぼってりしていると思っていた。

 しかし年を取ったせいか、何か、急に山桜を見て美しいと思った。梅ほどではないが、控えめで清楚。それでいて一定の派手さもある。また、葉も花とともに出てその緑と花のバランスもいい。

 なるほど、桜は山桜という名人の気持ちが何となくわかった。

 万葉、古今集も、本居宣長もみんな山桜を見て、感動したのだ。

 ソメイヨシノではない。

 山桜に比べて、ソメイヨシノは、まるで、「メガ・ハンバーグ、ごはん大盛!!」ではないか。
 まるで「大量生産!大量消費!」ではないか。

 山桜に比べれば 清楚さ、上品さがないではないか。

 それに比べると、山桜は、もののあはれがある。食べ物でいふと、「鯛のお刺身」か?

 
 そして、ソメイヨシノの散った今4月末でも、山桜は、まだ咲いている。

 
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 山桜は咲く時期も個体によって違いがあるそうだ。

 あの4月上旬に集中して花見をするスタイル、それが終われば、桜のシーズンが終わったと感じる感性は、ソメイヨシノによって作られたのだな。
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by isehyakusyou | 2017-04-28 17:11 | Comments(0)
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