収穫を知人に配りたくなる

 先日、雑誌を読んでいたら、「釣り人が獲物を釣り上げた後に、惜しげもなく、いろいろな人に獲物を配ったりする。道具も高価で、手間隙かけて、釣り上げたものを、なぜ、惜しげもなく人に配るのか、不思議だ」という内容の記事が載っていた。
 私は、釣りはしないが、自分の手作りの野菜について、釣り人と同じように、いろんな人に配るので、「同じ気持ちかな?」と思った。
 
 野菜ができると配りたくなる。それは、一つには、たくさんできて、できたとき、それを無駄にするのが、非常にもったいない気持ちがするのだ。それで是が非でも人に食べてもらわないといけない気持ちになる。自分が作った野菜が無駄になるのは非常につらい。ネギの青いところ、大根の葉に至るまで無駄にしたくない。
 それから、自然への感謝とか畏敬の念もある。自分や家族だけで、収穫を独り占めするのは、おおげさに言えば、畏れ多い気持ちになる。収穫があるのは、ありがたいし、自分にはもったいないし、感謝と畏敬の念が生まれて、他人に分けないと、極端にいうと罰当たりのような気もしてくる。
 また、他人に分けると喜びが大きい。収穫の喜びを他人と分かち合う事で喜びが増すのも確かだ。悲しみは分け合うと半分になり、喜びは倍になるという言葉を聞いたことがあるが、この言葉は真実だ。また、自然への畏敬の念があるから、他人に分けることで、安心感もある。
  それから、単純に人に褒めてほしい気持ちもある。
 釣り人もこんな風な自然の畏敬や感謝の念から人と収穫を分け合うのではないだろうか。

 例えば、お金のような抽象的なものは、手にしても実感がないから、手にしても本当の喜びがないように思えるし、もっと欲しくなる傾向があるけれど、野菜や魚という実物は、手に入れると感謝や畏敬の念が生まれて、分け合いたくなるのかな、などと思ったりする。

 セックスピストルズというパンクバンドのヴォーカリストだったJライドンは、シニカルな毒舌家で有名だけど、ジャングルでのサバイバル番組に出演して、ジャングルの中でこんな事を言っている。
「神に答えてもらいたい疑問は沢山あるが、こういう自然の中にいると、感謝すべきこともあるなあと実感する。緑が一番好きな色になった。」と。

 自然の力は偉大だな。


 
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# by isehyakusyou | 2007-10-13 22:20 | Comments(1)

有機無農薬農業は素人にできるか

 昔、農業の専門家から「有機無農薬農業は無理だ」と言われたことがある。実際やってみると、それは、「商売として成り立つ有機無農薬農業は難しい」と言いたかったのだと分かった。
 農協へ行くと、野菜は安い。「こんなにいいナスが、ジャガイモが、大根が、この値段?」と思ってしまう。作る手間ひまを知る素人百姓からすると唖然としてしまう。これは今だけでなく戦前もそうだったようで、終戦直後に石原莞爾という人が「自分で畑でやってみると一本の菜、一さやの豆でも大変手数がかかるものであるが、買う段になると実にばかばかしいほど安いのである。(われらが世界観)」と書いていて、戦前からそうだったのだ。
 しかし、素人が有機無農薬栽培をやるのは、採算を考えないので、できる。やってみると、ジャガイモ、たまねぎ、大根、ナス、キュウリ、ゴウヤ、オクラ、などはそんなに手間をかけなくてもできる。サツマイモはできるけど、味がないのができたりした。とうもろこしは、虫がつく。虫がつくのを気にしなければ、白菜、チンゲンサイ、小松菜、とうもろこし、ブロッコリーもできる。
 意外と出来なかったのが、トマト、ピーマン、にんじん。
 それから秋から冬の野菜は去年、かなり失敗した。寒くなるとぜんぜん出来ない。
 二年程度の経験から言うと、有機無農薬農業はできなくはない。消費者の「虫食いが嫌」とか「形の悪いのが嫌、小さすぎるのが嫌、大きすぎるのが嫌」とか「農薬がついていても安ければいい」とか、そうした考えを変えれば、もっと有機無農薬農業も発展すると思う。
 だけど、駄目だろうな。
 みんな、あんまり考えてない。有機無農薬農業のことも、食物自給率のことも、アメリカの食物支配のことも。
 それから、政府も農業について本気で考えていない。
 まあ、絶望せず、自分の出来る事を努力しよう。
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# by isehyakusyou | 2007-10-07 23:06 | Comments(0)

トマトの不作・キュウリの豊作

 今年のトマトは不作だった。なぜ?トマトは肥料をあげ過ぎてはいけないと聞いているので、ほとんど肥料をやらなかった。それがいけなかったのか?「トマトはどちらかというと、多肥だよ」という助言をもらったこともある。よくわからない。家族の話だとニュースで「今年は暑すぎてトマトは自分の身を守るため花を落として、不作だった」と言っていたらしい。友人の一人も「今年のミニトマトは不作だった」と言っている。でも、自分のトマトより、よく実っている畑は目にしたので、気候のせいだけではなさそうだ。???

 キュウリは豊作。その理由は分かっている。5月の黄金週間にキュウリの苗を植えたが、暑すぎてその後、大半が枯れてしまった。そこで、だめでもともとと思いながら、5月末に種をじか蒔きしたら、それがどんどん大きくなって、9月末の、いまだにキュウリをならせている。去年の苗キュウリは、9月はじめに実つきが終ったのだ。後から蒔いた種の力は偉大だった。ちゃんと大きくなり、苗で育てたものの後まで、実をならせたのだ。
 これをお読みの素人百姓のみなさん。来年は是非、5月後半にキュウリの種を蒔く事に挑戦してみてください。
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# by isehyakusyou | 2007-09-26 22:15 | Comments(1)

キュウリの太さ

 少しでもキュウリを育てた経験がある人は知っていると思うけど、キュウリは、すぐ太くなる。「今日、ちょうどいい」と思っても明日には、太くなってしまう。
 でも、育てた経験のない人には信じられないようで、去年、職場の女の子に太いキュウリをあげたら、「これ、何ですか?」「キュウリだよ。」「うそつかないでください。うりでしょう。」「本当だよ。キュウリだよ。」「私をかつぐつもりでしょう。」「僕が日頃から、下らない冗談を言わない人間なのを知っているでしょ。」といった、やりとりがあった。

 私はキュウリが多少太くても食べるが、家族は、「太いキュウリはまずい」と言って苦手だ。先日バングラディシュから来た人に太いキュウリを持っていってあげたら、「うちの国ではこのくらいが普通。外国ではみんなこのくらいです。食べでがある。」と言った。この人は、アメリカやヨーロッパにも行ったことのある国際人だ。
 「そうか、太くした方が、たくさん食べられて、いいのか。なるほど、一日で大きくなるんだから、その方がお得だ。」と思った。

 先日スーパーに行くと、かなり細いキュウリが売っていた。日本の普通のキュウリよりもずっと細い。「細い方が本数がたくさん売れて農家は儲かるのかな。」と思って見ていたら、どこかの中年女性がなるべく太いキュウリのを探して、全部触って選んでいた。「他のお客さんのために、売り物に触らない方がいいですよ。太いキュウリが欲しかったら、うちの畑のものをあげましょうか。」と内心思ってしまった。
 
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# by isehyakusyou | 2007-09-16 14:18 | Comments(1)

生とうもろこしは、うまい

 昨年、友人に種をもらったので、とうもろこしを栽培しました。できて、うちの母や親族に配ったら大不評。「虫食いで、こんなの食えるか!」と。「私は少しくらい虫が食ったていいじゃないか。無農薬なんだから」と内心思いましたが、落ち込みました。

 畑に出て、とうもろこしを見て、「誰も食わないならば、俺が食う!」と思って、虫食い部分は抜かして生でばりばり食べたのです。
 すると、ばかうま。滅茶苦茶うまい!!甘くて、生々しくて、みずみずしくて、お菓子みたい。
私は、こんなうまいのもは誰も知るまい。と内心、思って一人で食べていました。
 今年もとうもろこしを栽培。「誰にもやらない。俺一人で食う」と思って大きくなったら、生で食ったら、やっぱり、滅茶苦茶うまい。こんなうまいものは誰も知るまいと、かつて桜の花を食った正宗白鳥のごとく、内心、にやにやしていました。

 ところが!北海道在住、大学の講師、私の旧友に、その話をしたら、「おれも食ったよ。うまかった。」と。私は「ええっ」とびっくり。彼は、インターネット販売で知って、買って、こわごわ食べたら、うまかったと。彼によると、とうもろこしは、生が一番うまい。それも、もいで一時間以内でないと糖度が落ちてしまう。その美味しさを知っているのは、生産農家だけで、でも商売にはならないから、ゆでたり、焼いたりするように、一般には知られている、しかし、本当は生が一番うまいとのこと。その通販では、特別な冷凍システムでもぎ取り直後のうまさを保存してゐるのだとのこと。でも、値段が高かったと彼は言っていた。
 わたしは、彼の博識と快楽追及の根性に脱帽しつつも、内心、俺の生とうもろこしは、種代300円肥料代200円で30本くらいできるから1本15円くらいだぜと内心思った。
 
 しろうと百姓の皆さん、来年は、是非、もぎたて生とうもろこしを、畑でご賞味ください。

 私のとうもろこしは、でも半分くらい、蟻や芋虫に食われてしまった。虫たちもさぞ、満足したことだろう。
 それで1本30円くらいの計算になった。
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# by isehyakusyou | 2007-09-10 22:17 | Comments(1)