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進学塾とTPP

 昔、小学生の上級生のころ、進学塾に通っていた。

 親が、偏差値の高い私立の進学校に行かせたがったのだ。
 私は、小学生でそこで勉強していたが、今考えるとあそこの雰囲気は異常だった。
 まず偏差値崇拝とでも言えるほど、偏差値の高い学校への信仰がある。そこに行く人は選ばれた尊敬すべき人々なのだ。
 そして子供たちは、当然、偏差値の高い学校へ行きたがる。そして偏差値の低い学校の人間は軽蔑されて、少しでも偏差値が高い学校に行く人間が尊敬され、一段高い人間に扱われる。

 そして一様に感じる「自分たちは偏差値の高い学校に行く人間なのだ」というプライドの高さとそこに落ちたらどうしようという不安と背後にある劣等感。

 それから、どうやったら効率よく受験でいい結果を出せるかについての要領のよさが求められた。勝てばいいのだ。
 逆に言えば、受験と偏差値以外のことは考えていなかったようだ。

 自然の美しさとか、日本の伝統とか、真実とは何かとか、そうした関心はなかったと思う。「愛国心」なんて馬鹿にされていたし、「隣人愛」なんて無意味と思われていたように感じる。

 偏差値、偏差値、偏差値。ただ、それだけ。
 
 自分の親は「勉強しなさい」と子供に意味なく叫ぶだけの愚かな人間だったから、私も受験勉強の仕方があまりわからず、私は中学受験に失敗して公立中学に行った。
 親の中には自分も子供と一緒に受験勉強をして子供を導く親もいるらしい。

 もし、自分の親が自分でも勉強し、子供を導く親だったら、どうだっただろう。

 親の期待に応えたい気持ち、努力しようという気持ち、いい結果を出したい気持ちになったかもしれない。
 それで成功して偏差値の高い学校にいったらどうなっただろう。
 「あなたはできるのよ。選ばれたエリートなのよ」という親の称賛の言葉への喜び、自分はエリートなのだという誇り、今後の人生も成功者であり続けたいという願望、そうした気持ちで生きたかもしれない。

 いい高校に行き(中高一貫かもね)、大学もエリート大学に進学、その大学で教えられるのは、グローバリズム、新自由経済、アメリカの1%富裕層の思考。
 世界的成功者の仲間だという誇り、偏差値の低い人間への軽蔑、人生の目的は成功であり財力や権力であるという思い。
「愛国心?古くさ!隣人愛?偏差値低い人間は支配してあげなきゃね。自然?金儲けにどう使うかを考えようよ。世界の勝利者の仲間になってエリートらしく生きなきゃね。だって僕は偏差値の低い人間とは違って選ばれたエリートなんだから。おかあさんもとってもよろこんでいるよ。」
 そんな風に考えるかもしれない。
 
 もしかしたら、日本でTPPに賛成して推進しているのは、そうした受験エリートのなれの果ての人々なのかもしれない。
 最近、TPPについて考えると、ふと、小学生時代の進学塾のことを思い出した。
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by isehyakusyou | 2016-01-20 21:33 | Comments(28)